黒ナンバーとは、業務目的で使用する軽自動車が取得するナンバーです。
これから「軽貨物運送事業を始めよう」と考えている個人事業主の方や、「黒ナンバーの取得方法を知りたい」方に向けて、黒ナンバーの基本と取得方法を解説します。
黒ナンバーに関する疑問点の説明もしますので、参考にしてください。
黒ナンバーとは?
黒ナンバーとは、軽貨物運送事業をする軽自動車に交付されるナンバープレートです。
運送業や配送業などの仕事で、荷物を運ぶための車両に付けられています。
黒地に黄色の文字で表示されているので、「黒ナンバー」と呼ばれています。
黒ナンバーの特徴とメリット
黒ナンバーの特徴とメリットを紹介します。
◆営業用車両の証明
黒ナンバーは、運賃をもらって荷物を運送できる軽貨物運送業の車両に取り付けられます。
黒ナンバー車両は、重量税や自動車税が安くなる点がメリットです。
(営業用車両には税金の優遇措置がありますが、具体的な金額や適用条件は地域や状況によって異なるため、詳細な確認が必要です。)
◆貨物運送の許可
軽貨物運送事業をする車には、黒ナンバーが必要です。
黒ナンバーを取得することで、軽貨物運送業ができます。
◆信頼性の向上
黒ナンバーは、軽貨物運送事業の許可を受けた車両です。
黒ナンバーを取得している軽貨物運送事業者は、関係法令において守るべき規定に従い事業をするので、取引先や顧客から信頼性が高まります。
黒ナンバーの取得方法
黒ナンバーを取得するためには、以下の手順を踏む必要があります。
◆必要書類の準備
黒ナンバーを取得するための書類を準備します。
主な書類は以下の通りです。
⚫️車検証
⚫️貨物軽自動車運送事業経営届出書
⚫️事業用自動車連絡書
⚫️貨物軽自動車運送事業運賃設定届出書
⚫️運賃料金設定届出表
これらの書類を用意し、各都道府県の運輸支局に提出します。
国土交通省のホームページに、各都道府県の運輸支局が記載されているので事前に確認しましょう。
◆貨物軽自動車運送事業経営届出書類を作成する
届出書の書式は運輸支局によって違いがあるので、管轄する運輸支局の書式にしたがって記入しましょう。
記載する内容としては、営業所の名称と住所、休憩施設の場所、車庫の場所、収容能力、事業用自動車について記入します。
貨物軽自動車運送事業経営届出書類は2部作成しないといけません。
1部を運輸支局に提出し、1部は控えとして保管します。
◆事業用自動車連絡書
軽貨物車運輸支局での申請が完了していることを証明する書類です。
書式に従って記入するだけなので、難しい項目などはありません。
開業する人の情報や、使用する車両の情報を記入します。
車検証に記載されている車両の情報を記入するので、車検証を準備しておきましょう。
事業用自動車連絡書は2部作成しないといけません。
1部を運輸支局に提出し、1部は控えとして保管します。
◆貨物軽自動車運送事業運賃設定届出書を作成する
軽貨物運送事業をする際の、運賃の価格を記している書類です。
運賃は自由に設定できます。
相場に基づいた料金設定にしたい場合は、運輸支局の記載例を参考に運賃設定してください。
この書類は提出用に1部作成します。
◆運賃料金設定届出表
軽貨物自動車運送事業運賃料金表で決めた運賃を、運輸局に提出する際に必要な書類です。
記入する内容は、事業者名と住所、事業の種類、設定した運賃料金を適用する地域・適用方法、実施年月日などを記入します。
運賃料金設定届出表は3部作成しないといけません。
運輸支局を運輸局に1部ずつ提出し、1部は控えとして保管します。
◆ナンバープレートの交付申請
必要書類を管轄の運輸支局でナンバープレートの交付申請をする。
申請が受理されると、黒ナンバーが交付されます。
黒ナンバー取得の注意点
黒ナンバーを取得する際には、以下の点に注意が必要です。
◆法令遵守
営業用車両としての法令を遵守しなければなりません。
運行管理や安全対策は特に重要です。
◆定期点検
車の定期点検は、安全管理の面で非常に大切な項目です。
車両の定期点検・整備は義務になっています。
◆税務申告
軽貨物運送事業での経費や収益については、税務申告をする必要があります。
黒ナンバーは誰でも運転できる?
黒ナンバー車は、運転免許があれば誰でも運転できます。
黒ナンバーなので、何か特別な資格が必要な訳ではありません。
軽貨物運送業をするために、黒ナンバーを取り付けているだけです。
黒ナンバーに関するよくある質問
◆黒ナンバーは普段使いしても良い?
普段使いしても問題ありません。
普段使いしている費用は、経費として計上できないので注意が必要です。
◆黒ナンバーは怪しいと言われる?
さまざまな人が軽貨物運送事業をしています。
一般的な運送会社とは違い、車両に事業者名を表記していない個人事業主もいます。
その点から「怪しい」と思われているのかもしれません。
◆黒ナンバーの運転は危ない?
誰でも簡単に始められる点はメリットですが、運転に不慣れなドライバーもいるので「黒ナンバーの運転は危ない」と思われているようです。
運転マナーに気を付け、このようなイメージを抱かれないよう気をつけましょう。
◆個人や個人事業主でも黒ナンバーの取得は可能?
個人で取得することは可能です。
必要書類を運輸支局へ提出し、手続きが完了すれば当日にナンバーが交付されます。
◆軽自動車で黒ナンバーを取得するデメリットは?
任意保険が高くなる点はデメリットです。
走行距離が一般の車よりも長くなるので、事故の確率も高くなるので仕方ないのかもしれません。
軽貨物自動車用の任意保険を扱っている損保会社が少ない点もデメリットです。
◆黒ナンバーは通報されやすい?
誰でも比較的簡単に参入できるので、マナーの悪いドライバーが居ることも事実です。
自分が気をつけていても、マナーの悪い人の影響で通報されてしまうこともあるでしょう。
交通マナーを守り誠実な態度で接することを心がけ、好感度をあげることも大切です
◆黒ナンバーは苦情が来やすい?
黒ナンバーは誰でも取得できるので、不慣れな人が多い点から苦情がきやすい可能性があります。
一般的なマナーを守ることで、苦情を減らすことが可能です。
◆黒ナンバーの車検の頻度は?
黒ナンバーの車両は、2年ごとに車検を受ける必要があります。
車両を新車で購入した場合でも、車検は2年になるので注意が必要です。
まとめ
黒ナンバーは営業用の貨物自動車に交付されるナンバープレートで、運送業や配送業をするためには必要です。
適正な手続きを踏んで取得することで、業務の信頼性を高め法的な優遇措置を受けられます。
個人事業主として黒ナンバーを取得する際には、必要な要件を確認し手続きをすることが重要です。