軽貨物車両は、配送業や現場仕事などビジネスの現場で欠かせない存在です。
特に燃費の良さは、日々のランニングコストに直結する重要なポイントです。
軽バン選びで後悔しないための実践的な情報をお届けします。
軽貨物車両とは
軽貨物車両とは、いわゆる「軽バン」に代表される、最大積載量350kg以下の商用軽自動車のことを指します。
全長3.4m以下・全幅1.48m以下・全高2.0m以下という軽自動車の基準を満たしつつ、荷物の運搬に特化した構造を持っています。
事業用ナンバー(黒ナンバー)を取得して配送業務に活用されるほか、個人事業主や副業配達員にも人気です。
軽バンの最大の特徴は、荷室の広さと積載力です。
後部座席が折りたたみ可能で、フラットな荷室空間を確保できる設計になっているため、段ボールや工具、楽器など多様な荷物を効率よく積載できます。
また、四角いボディ形状は車内空間を最大限に活用できるメリットがあり、荷物が多いシーンで威力を発揮します。
軽ワゴンや軽ワンボックスは主に乗用目的で作られており、シートや内装に快適性を重視した設計が施されています。
軽ワゴンは後部座席が独立しており、家族や同乗者向けの仕様です。
一方、軽ワンボックスはエンジンが前方に配置された「キャブオーバー構造」で、軽バンと似た形状ながらも乗用としての快適性がやや高い傾向にあります。
軽貨物車両燃費ランキングTOP7
近年、ガソリン価格の高騰により、燃費の良い軽貨物車両のニーズはますます高まっています。
配送業者や副業ドライバーにとって、1Lあたりの走行距離が数km違うだけでも、年間で大きなコスト差となります。
スズキ・エブリイのOEM供給車として知られる「NV100クリッパー」は、燃費と積載性のバランスに優れた1台です。
カタログ燃費はWLTCモードで16.2km/L前後ですが、実燃費でも15km/L台を記録する安定性が強みです。
CVT(無段変速機)によるスムーズな加速感と静粛性もあり、都市部での配送にも最適です。
荷室はスクエア形状で積載しやすく、助手席側から荷室へアクセスしやすい利便性もあります。
信頼性が高く、中古市場でも人気のあるモデルです。
個人事業主や副業ユーザーから高い支持を集めているのが、ホンダの「N-VAN」です。
商用車でありながら、軽乗用車並みの快適性と安全性能を持ち合わせており、ホンダセンシングを標準搭載。カタログ燃費は16.8km/L、実燃費も14.5〜15km/L台と高水準です。
助手席をフルフラットに倒すことで、助手席側からリアまでを一体化したロング荷室を実現できる点も他車にない魅力の一つです。
燃費だけでなく、車内空間を自由に活用したい方におすすめです。
軽商用車の定番モデル「ハイゼットカーゴ」は、燃費性能だけでなく積載力・走行性能・メンテナンス性のバランスが良い1台です。
カタログ燃費は15.6km/L、実燃費は約14.5km/L前後と実用的な設計になっています。
後輪駆動ベースのFR設計により、重い荷物を積んでも安定した走行が可能で、坂道や悪路にも強いのが特長です。
法人ユーザーにも人気で、長年の信頼と実績がある「商用バンの王道」といえます。
スズキの「エブリイ」は、NV100クリッパーの元となる車種です。
低燃費・高耐久・低価格と三拍子そろったモデルで、多くの軽貨物ユーザーにとって定番となっています。
実燃費は14.0〜15.0km/Lと安定しており、維持費の安さも魅力的です。
スバル「サンバーバン」も、実はダイハツからOEM供給されているハイゼットカーゴの兄弟車です。
基本性能は同一ですが、スバル独自のアフターサービスや細かな装備差により、一定のファン層を抱えています。
スズキ・エブリイのOEMモデルである「スクラムバン」は、マツダディーラーで購入・整備を受けたいユーザーにおすすめです。
性能や燃費はエブリイと大きな差はなく、実燃費も13.5km/L前後とコスパも最強です。
三菱の「ミニキャブバン」も、スズキ製エブリイのOEM供給を受けたモデルです。
燃費性能は控えめながらも、効率的な造りと取り回しの良さに定評があります。
軽貨物車両の燃費を良く保つためには
燃費性能の良い軽貨物車両を選んでも、日々の使い方やメンテナンスを怠れば、本来のパフォーマンスを十分に発揮できません。
ここでは、軽バンの燃費を最大限に引き出すための実践的なポイントを4つご紹介します。
軽貨物車両は最大積載量が350kgまでと定められていますが、常に限界まで荷物を積んでいると、エンジンへの負担が増え、燃費は大きく悪化します。
積載量が重くなるほど加速時や坂道走行時に多くの燃料を消費するため、必要以上の荷物は載せないことが基本です。
また、荷物の積み方も燃費に影響します。
重い荷物を車体の中央や前方にまとめて配置し、車体のバランスを保つことで、走行時の安定性が向上し、余計なエネルギー消費を抑えられます。
エンジンオイルは車の“血液”ともいえる重要な要素です。
劣化したエンジンオイルでは潤滑性能が落ち、エンジンの内部抵抗が増えて燃費が悪化します。
特に軽バンは商用車として頻繁に使用されるため、エンジンへの負荷も大きく、オイル交換のタイミングは非常に重要です。
推奨される交換時期はおおむね3,000〜5,000kmごとと言われています。
定期点検時にオイルの色や粘度をチェックし、黒く汚れていたり、粘り気がなくなっている場合は早めの交換を心がけましょう。
意外と見落とされがちですが、タイヤの空気圧が低い状態では転がり抵抗が大きくなり、燃費が低下します。
特に軽貨物車は重量物を運ぶ機会が多いため、空気圧が自然に下がりやすくなっています。
月に一度はタイヤの空気圧をチェックし、メーカーが推奨する数値(通常は前輪・後輪で異なる)に合わせて調整しましょう。
正しい空気圧を保つことは、燃費改善だけでなく、タイヤの寿命や走行の安全性にも直結します。
軽貨物車両は、短距離走行を繰り返すとエンジンが温まりきらず、燃費が悪くなりやすい特性があります。
エンジンは温まった状態で最も効率的に燃焼するため、可能であれば「まとめて配達する」「一筆書きのルートを組む」といった工夫で無駄な移動を減らしましょう。
また、アイドリング時間を減らすことも有効です。
荷物の積み下ろし中にエンジンをかけっぱなしにせず、ストップ時にはこまめにエンジンを切る習慣をつけるだけで、燃料消費を抑えることができます。
最強の軽バンを選ぶための3つの視点
軽貨物車両の中でも、日々の業務や配送、現場作業などでフル活用される軽バン。
燃費やサイズも重要ですが、「本当に使える一台」を選ぶには、単なるスペック比較にとどまらない実用目線が欠かせません。
軽バンの最大積載量は法規上350kgまでと決まっていますが、実際の積載性能は車両の構造や荷室の使いやすさに左右されます。
たとえば、荷室の床面がフラットかどうか、荷物を固定するフックの数、リアゲートの開き方なども業務効率に直結します。
また、室内高や荷室の奥行きもチェックポイントです。
同じ最大積載量でも、高さがある方がかさばる荷物を効率よく積めることもあり、業種によって最適な形は異なります。
自社の運搬物や運用スタイルに合った荷室構造を持つ車両を選ぶことが重要です。
軽バンの魅力の一つは、普通車に比べて圧倒的に低い維持費です。
軽自動車税や自賠責保険、車検費用などが抑えられる上、燃費性能の良いモデルを選べば長距離運転でもコストパフォーマンスは抜群です。
ただし、安さだけを重視するのではなく、部品代や交換頻度、整備のしやすさも加味して選ぶのが賢明です。
たとえば、人気車種であれば中古部品の流通も多く、修理費を抑えられるメリットがあります。
また、販売台数が多い車種は整備対応できる整備工場も多いため、日常的なメンテナンスでも困ることが少なくなります。
最強の軽バンに求められる最後の要素は、耐久性=壊れにくさです。
毎日長時間走る、重い荷物を繰り返し積む、路面状況が悪い現場にも行くといった過酷な使用に耐えられる設計かどうかがカギになります。
たとえば、エンジンやミッションが堅牢であること、サスペンションやフレームがしっかりしていることはもちろん、商用に特化したモデルは「耐久性重視の部品構成」になっていることが多いため、あえて“商用グレード”を選ぶのも一つの手です。
さらに、メンテナンス履歴が明確な中古車を選ぶ場合でも、商用利用に耐えられる車体かどうかをチェックすることで、長期的なコストダウンにもつながります。
まとめ
軽貨物車両の燃費は、業務効率や経費に大きく影響する重要な要素です。
今回ご紹介したように、実燃費に優れたモデルを比較することで、日々のガソリン代を大きく抑えることが可能です。
また、燃費性能を維持するには、積載量やタイヤ空気圧、エンジンオイルなど、日々の小さな工夫も欠かせません。
さらに、積載性・維持費・耐久性といった視点から総合的に見ることで、自分に最適な「最強の軽バン」を見つけやすくなります。
単なる価格比較にとどまらない、本当に使える軽バン選びをぜひ意識してみてください。
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