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貨物安全管理者とは?個人で運送業を始めるなら知っておきたい基礎知識

2024
10月
03

個人で運送業を始める際、荷物を安全に届けることはもちろん重要ですが、法律に則った運営も欠かせません。

その中で、「貨物安全管理者」は運送業において重要な役割を果たす存在です。

貨物安全管理者はドライバーや貨物の安全を確保し、事故を未然に防ぐための取り組みをリードします。

本記事では、これから運送業を始める方が知っておきたい貨物安全管理者の基礎知識について詳しく解説します。



貨物安全管理者とは?


運送業を営む際、車両や荷物の安全確保は非常に重要です。

貨物安全管理者は、その運送業の現場において、貨物とドライバーの安全を守るために不可欠な存在です。

国土交通省の定める法律に基づき、一定規模以上の運送事業者には、貨物安全管理者の選任が義務付けられています。

個人で運送業を始める場合にも、この役割を正しく理解し、適切な管理を行うことが事業成功の鍵となります。

◆貨物安全管理者の定義

貨物安全管理者は貨物自動車運送事業法などに基づき、運送事業者の安全運行を確保するために選任される専門的な管理者のことを指します。

主に、安全な運送業務を遂行するための計画立案や教育、日常的な車両の点検、安全指導など、多岐にわたる業務を担当します。

貨物自動車運送事業において、安全管理は事業者の信用を左右する重要な要素であり、貨物安全管理者はその中心的な役割を果たします。

◆貨物安全管理者の主な業務

貨物安全管理者の業務は多岐にわたりますが、主に以下の点に集約されます。

・運行管理計画の作成

運送業務が安全に行われるよう日々の運行計画を立案します。特に、ドライバーの労働時間や休憩時間の管理、運行ルートの設定など、無理のない計画を策定し、過労運転や事故のリスクを低減します。

・安全教育の実施

ドライバーに対して、定期的に安全運転に関する教育や講習を行います。これには、法令の遵守や交通ルールの確認、危険予知トレーニング(KYT)などが含まれます。安全教育は事故を未然に防ぐために非常に重要であり、継続的な教育が欠かせません。

・車両点検と整備の指導

運行前後の車両点検や、定期的な車両整備の実施を指導します。車両の不具合は事故の原因となるため、点検整備の徹底は安全運行に直結します。また、適切な整備記録の管理も重要な業務の一つです。



個人で運送業を始める際に貨物安全管理者が必要な理由


個人で運送業を始める際には、貨物の安全な輸送とドライバーの労働環境を確保することが非常に重要です。

そのため、貨物安全管理者の役割を正しく理解し、選任することは、安全かつ効率的な運送業務を行う上で欠かせないポイントとなります。

貨物安全管理者は、運送業務に関する知識とノウハウを活かして、安全運行のための管理体制を整える役割を担います。

◆貨物安全管理者がいない場合のリスク

貨物安全管理者を選任しない場合、運送業務において以下のようなリスクが発生します。

・事故の増加

運行計画の不備やドライバーの過労、車両整備の不足などにより、事故が発生するリスクが高まります。

安全管理者が不在だと日常の安全教育や点検整備が徹底されず重大な事故につながる恐れがあります。

・法令違反

貨物自動車運送事業法に基づき一定規模以上の事業者には貨物安全管理者の選任が義務付けられています。

選任を怠った場合、監査や罰則の対象となり、事業の継続に支障をきたす可能性があります。

・信頼性の低下

事故や法令違反が発生すると荷主や取引先からの信頼が失われ、事業運営に悪影響を及ぼします。

特に個人事業者は信用が重要であり信頼を損なうと事業の存続が難しくなります。

◆運送業における貨物安全管理者の法的義務

貨物安全管理者の選任は運送業者にとって法的な義務です。

貨物自動車運送事業法により、運送事業者は安全運行の確保と法令遵守を求められています。

具体的には、車両数が10台以上の事業者には貨物安全管理者の選任が義務付けられており、さらに、選任した管理者には定期的な安全教育や運行計画の作成、車両点検の指導といった業務が求められます。

◆運送業の信頼性向上

貨物安全管理者を適切に選任し、安全管理を徹底することで、運送業者としての信頼性を向上させることができます。

貨物安全管理者の存在は荷主や取引先に対して「安全な輸送を提供している」という安心感を与え、信頼関係を築く上での大きなアピールポイントとなります。

また貨物安全管理者が中心となって事故防止対策や安全教育を実施することで、従業員の意識も向上し、安全で効率的な運送業務を実現できます。



貨物安全管理者の資格取得方法


貨物安全管理者としての資格を取得するには法令に定められた要件を満たし講習を受けることが必要です。

個人で運送業を始める場合、この資格を取得しておくことで事業を円滑に運営し、安全管理を徹底することができます。

◆資格取得の要件

貨物安全管理者の資格取得には、以下の要件を満たす必要があります。

・経験要件

基本的に、貨物自動車運送事業において1年以上の運行管理の実務経験があることが求められます。

この経験により貨物輸送に関する基礎的な知識やスキルを持ち、安全運行に関する責任を理解していることが期待されます。

・講習の受講

国土交通省が指定する貨物安全管理者の講習を受けることが必須です。

講習を受講し所定の試験に合格することで資格を取得できます。

経験がない場合でも講習を受けることで資格取得が可能です。

・適性

運送業の安全を担う役割であるため、健康状態や精神的な適性も重要です。具体的な適性基準は講習時に確認されることはありませんが、貨物安全管理者としての業務を適切に遂行できる状態であることが前提となります。

◆取得手順

貨物安全管理者の資格を取得する手順は以下のとおりです。

・講習会の申し込み

国土交通省や各都道府県の運輸局が開催する「貨物安全管理者講習」の日程を確認し、申し込みを行います。

各地域で定期的に開催されていますが、定員に限りがあるため早めに申し込むことが推奨されます。

・講習の受講

申し込み後、指定された日時に講習を受けます。

講習では、貨物輸送における安全管理や法令遵守に関する知識が提供されます。

実務経験のない方でも、この講習を通して必要な知識を習得することができます。

・修了試験の受験

講習の最後には修了試験が行われます。

試験は講習内容に基づいて出題されるため、講習をしっかりと理解していれば合格可能です。

合格者には、後日「貨物安全管理者資格証」が交付されます。

◆貨物安全管理者の講習内容

・法令遵守

貨物自動車運送事業法や道路交通法など、運送業に関連する法令について学びます。

特に安全運行に関する規則や違反時の罰則など、事業運営に直結する知識が重視されます。

・安全運行の確保

運行計画の立案方法や、ドライバーの労働時間管理、車両点検の重要性について学びます。

実務経験のない方でも理解できるよう、基本的な内容から丁寧に解説されます。

・事故防止策

過去の事故事例を基に、事故の原因や再発防止策について学びます。

危険予知トレーニングの方法や、安全教育の実施方法についても講義が行われます。

・緊急時の対応

事故発生時の対応手順や、関係機関への報告方法についても学びます。

緊急時に備えた適切な対応力を身につけることが目的です。

◆費用や日程の目安

貨物安全管理者講習の費用や日程については、地域や主催団体によって異なりますが、一般的には以下の範囲です。

・講習費用

5,000円から10,000円程度。講習費用には、テキスト代や修了証発行費用などが含まれる場合が多いです。

・講習日程

各都道府県で定期的に開催されており、多くの場合、1日から2日間で完結します。

申し込みは各運輸局のウェブサイトや窓口で行うことができます。

・開催頻度

地域によって異なりますが、月に1回から数回程度の頻度で開催されている場合が多いです。

人気のある日程は早めに埋まってしまうため、計画的なスケジュール調整が必要です。



個人事業主として貨物安全管理者を上手に活用する方法


◆自分で資格を取得する場合のメリット・デメリット

・メリット

・コスト削減

自ら資格を取得することで、外部に依頼する費用を抑えられます。

講習費用は5,000円~10,000円程度と比較的低く、長期的に見ればお得です。

・事業理解の向上

資格取得を通じて安全運行に関する知識を身につけることで、自社の業務全体を把握し、適切な運行管理や車両点検ができるようになります。

・柔軟な対応

自分で安全管理者となることで、現場の急なトラブルにも迅速に対応可能です。事業運営の柔軟性が高まります。

デメリット

・時間と負担の増加

資格取得には講習の受講など時間が必要で、資格取得後も日常的な安全管理業務に取り組まなければなりません。

運送業務と管理業務の両立が難しくなることもあります。

・責任が重い

事故が発生した際、自らが対応しなければならないため責任が増えストレスを感じる可能性があります。

◆外部の専門家に依頼する方法

運送業の安全管理を専門とするコンサルタントや代行サービスを利用する方法もあります。

メリット

・プロの知識を活用

専門家の豊富な経験を活かし、最新の法令に基づく適切なアドバイスや指導が受けられます。

安全管理に関する不安を軽減できます。

・時間の節約

外部に任せることで煩雑な手続きから解放され、本業に集中できるため事業効率が向上します。

デメリット

・コストがかかる

外部に依頼する際は費用が発生します。

個人事業主にとっては、継続的なコスト負担が経営の課題となる可能性があります。

・現場把握の難しさ

外部に任せると、自社の運行状況を把握しづらくなることも。適切なコミュニケーションがなければ、安全意識の低下につながる恐れもあります。



まとめ


個人で運送業を始める際、貨物安全管理者の役割は非常に重要です。

自分で資格を取得すればコスト削減や事業理解の向上が期待できますが、負担も増えます。

一方、外部専門家に依頼すればプロの知識を活用できますが、コストがかかります。

どちらの方法を選ぶにせよ、安全運行を確保し事業の信頼性を高めることが成功の鍵です。

自身の事業規模やニーズに合わせて最適な方法を選び、効率的な運営を目指しましょう。