電子商取引(EC)が急速に拡大したことにより、注文数が増え宅配便の取り扱い個数が増加しています。それに伴い、不在時によるの再配達の件数が増え、CO2排出量の増加やドライバー不足など、重大な社会問題の一つとなっています。本記事では運送業界の再配達事情について解説致します。
荷物の再配達・配達件数について
再配達とは、荷物の受け取り主が不在だった場合に、改めて希望日・希望時間を指定して荷物を配達してもらうことです。インターネット・スマートフォンが普及したことにより、ECサイトの利用者が増加し荷物量が増加、それに伴い再配達が必要な荷物の量も増加しています。
国土交通省、令和4年10月1日~10月31日調査によると、宅配便で取りあつかう再配達の件数は、
307,511件だったそうです。
エリアごとでは、
都市部:126,381件
都市部近郊:166,493件
地方:14,637件 となっています。
件数だけ見ても配送ドライバーがどれだけ大変かが分かりますよね。
配達総件数との比率でおよそ1割が再配達となっています。ドライバーに負担がかかるだけではなくCO2排出量の増加の懸念もあり、国土交通省では検討会を実施するようになったそうです。再配達によるCO2排出量は、およそ418,271t。地球環境にも良くないですよね。
再配達問題の解決策とは?
再配達を削減するためにいろいろな解決策を考案しているようです。以下紹介します。
①再配達を有料化にする
1つ目の解決策の案として再配達の有料化が挙げられています。
再配達にかかる料金を消費者側が負担すれば、運送会社のコストを減らせるという考えです。
有料化は検討段階で正式に決まったわけではありません。
再配達となる場合、たまたま諸事情で受け取れなかったなど、一瞬外出してた時に来ていたケースもあると思います。
さまざまな懸念や問題点などからまだまだ本格化することは難しそうです。
②宅配BOX設置
現在、宅配BOXを設置する方が増えてきています。共働きのご家庭が多いため、不在時に置いておいて貰えるため、面倒な再配達の依頼がいらなくなり、すぐに受け取れるのでとても便利です。
ヤマト運輸株式会社では公式アプリやクロネコメンバーズに登録すると、事前に配達予定が通知され、自宅の宅配BOXに荷物を配達してもらう設定ができるようになっています。
玄関先に荷物を置いておく【置き配】サービスも広がってきています。
③駅構内への受け取りBOXの設置やコンビニでの受け取り
最寄り駅・職場の近くの駅や帰宅途中のコンビニなど、自身で設定した場所に届けてもらい、時間関係なく受け取ることが出来るので配達時間に合わせて慌てて帰るということもなくとても便利です。
配達員も再配達の手間がなくなるので、両者にとってもメリットがあります。
再配達削減の問題は、受け取り側の意識を変えて宅配BOXを設置して受け取り方法を変えたり、コンビニで受け取ったり、置き配を取り入れている会社での注文をメインにしたり、意識改革は必要不可欠です。