軽貨物配送では、段ボール箱や飲料、家具、家電など、さまざまな荷物を繰り返し持ち運びます。
素手で作業すると、段ボールとの摩擦による手荒れや、荷物の角による擦り傷が起こることがあります。汗や雨で手が滑り、荷物を落としてしまう可能性もあります。
一方、厚過ぎる手袋やサイズの合わない手袋は、指先を動かしにくくし、伝票確認やスマートフォン操作の妨げになることがあります。
この記事では、軽貨物配送に適した作業手袋の選び方を、滑り止め、防寒性、通気性などの違いから解説します。
作業手袋を使用する主な目的は、荷物を持ちやすくし、手を傷や汚れから守ることです。
軽貨物配送では、次のような場面で役立ちます。
厚生労働省は、陸上貨物運送事業における労働災害の多くが荷役作業中に発生しているとして、荷役作業の安全対策ガイドラインやチェックリストを公開しています。手袋だけですべての災害を防げるわけではありませんが、荷物や作業環境に適した保護具を選ぶことは、安全対策の一つです。mhlw.go.jp
軽貨物配送用の手袋を選ぶ際は、次の点を確認しましょう。
| 比較項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 滑り止め | 段ボールやぬれた荷物を持ちやすいか |
| フィット感 | 指先が余らず、荷物をつかみやすいか |
| 通気性 | 長時間着用しても蒸れにくいか |
| 防寒性 | 冬の屋外作業でも手が冷えにくいか |
| 耐久性 | 摩擦や繰り返しの使用に耐えられるか |
| 操作性 | スマートフォンや配送端末を操作できるか |
| 手首の形状 | 作業中に脱げにくく、ごみが入りにくいか |
| 洗濯・手入れ | 繰り返し清潔に使えるか |
すべての性能が高い手袋を1種類だけ選ぶよりも、夏用、冬用、雨天用などを使い分けるほうが実用的です。
配送用手袋で特に重要なのが、荷物を安定して持つための滑り止め性能です。
手のひらから指先までゴムや樹脂でコーティングされた手袋は、段ボールやコンテナをつかみやすいのが特徴です。
主なコーティング素材には、次のようなものがあります。
素材や表面加工によって、乾いた段ボールへのグリップ力、水や油への強さ、柔らかさが異なります。
ニトリルゴムや天然ゴムを使用したタイプはグリップ力に優れた製品が多く、重量のある段ボールやコンテナの運搬に向いています。
手のひらに点状の滑り止め加工が施されたタイプは、比較的軽く、着脱しやすいのが特徴です。
軽い荷物を扱う作業には使いやすい一方、コーティングタイプと比べて、ぬれた荷物や重量物を持つ際のグリップ力が不足することがあります。
荷物の重さや配送内容に合わせて選びましょう。
手袋本体に穴が開いていなくても、表面の滑り止めがすり減ると荷物をつかみにくくなります。
次の状態が見られたら交換を検討してください。
滑りやすくなった手袋を使い続けると、余計な握力が必要になり、手や腕が疲れやすくなります。

春から秋にかけての配送や、荷物の積み下ろしを繰り返す作業では、手袋の中が蒸れやすくなります。
通気性を重視する場合は、手の甲が編み地になっている背抜きタイプが適しています。
背抜きタイプは、手のひら側だけに滑り止め加工を施し、手の甲側をコーティングしていない手袋です。
主なメリットは次のとおりです。
発泡ポリウレタンなどを使用した製品には、滑り止め性能と通気性の両立を特徴とするものがあります。SHOWA
ただし、手の甲側は液体や汚れが入りやすいため、雨天時や汚れた荷物を扱う作業には向かない場合があります。
汗でぬれた手袋を長時間使用すると、不快感や手荒れの原因になることがあります。
夏場や荷役量の多い日は予備を用意し、休憩時に交換しましょう。使用後は製品の表示に従って洗浄・乾燥させ、十分に乾いてから使用してください。

冬の早朝や夜間配送では、手が冷えることで指先を動かしにくくなる場合があります。
防寒手袋を選ぶ際は、暖かさだけでなく、荷物をつかめるか、配送端末を操作できるかも確認しましょう。
裏起毛や保温材を使用した手袋は、冬の屋外作業に適しています。
ただし、厚手になるほど指先の感覚が分かりにくくなります。小さな荷物、鍵、伝票、スマートフォンを扱う場合は、厚過ぎないものを選びましょう。
冷たい風を通しにくい素材を使用した手袋は、バイク便ほど強い走行風を受けない軽貨物配送でも、荷物の積み下ろし時や待機時に役立ちます。
防風性が高い手袋は蒸れやすい場合があるため、裏側の吸湿性や通気性も確認してください。
一般的な防寒手袋は暖かくても、段ボールを持つ作業に適したグリップ力がない場合があります。
配送用には、次の条件を確認しましょう。
運転中に厚手の手袋を着用する場合は、ハンドルやスイッチを確実に操作できるか確認してください。

雨の日は段ボールや台車の取っ手がぬれ、普段より滑りやすくなります。
雨天用として選ぶ場合は、次の点を比較しましょう。
完全防水の手袋は内部が蒸れやすい傾向があります。短時間の小雨には背抜きタイプ、長時間の雨天作業には防水タイプなど、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
ぬれた段ボールは強度が低下している可能性があります。手袋のグリップ力だけに頼らず、箱の底を支えて運びましょう。
軽貨物配送では、配送アプリ、ナビ、受領確認などでスマートフォンや専用端末を使用します。
手袋を着けたまま端末を操作したい場合は、タッチパネル対応タイプが便利です。
ただし、製品や端末によって反応のしやすさが異なります。購入後は、配送業務で使用する端末で次の操作を確認しましょう。
指先が余っていると正確に操作しにくいため、タッチパネル対応の有無だけでなく、サイズとフィット感も重要です。
端末操作は走行中に行わず、安全な場所へ停車してから行ってください。
作業手袋は、大き過ぎても小さ過ぎても安全な作業を妨げます。
可能であれば試着し、手を握る、段ボールを持つ、スマートフォンを操作するなど、実際の配送に近い動きを確認しましょう。
| 配送・作業内容 | 適した手袋の特徴 |
|---|---|
| 一般的な宅配 | 薄手、背抜き、滑り止め、スマホ対応 |
| 飲料・重量物 | 高いグリップ力、耐摩耗性、手首の安定感 |
| 夏場の配送 | 通気性、吸汗性、薄手 |
| 冬場の配送 | 裏起毛、防風性、滑り止め |
| 雨天配送 | 耐水性、ぬれた状態でのグリップ力 |
| 家具・家電配送 | グリップ力、耐摩耗性、必要に応じて耐切創性 |
| カゴ車の取り扱い | 手のひらの保護、フィット感、挟まれへの注意 |
カゴ車を使用する作業では、手を壁やほかのカゴ車との間に挟む事故が起こることがあります。労働安全衛生総合研究所も、ロールボックスパレット使用時の手部負傷について注意を呼びかけています。手袋を着用していても、支柱や側面を持たず、決められた取っ手を使用することが重要です。労働安全衛生総合研究所
通常の段ボール配送では、必ずしも高性能な耐切創手袋が必要とは限りません。
ただし、次のような荷物を扱う場合は検討しましょう。
耐切創手袋にも性能差があります。製品に表示された用途や耐切創性能を確認し、作業内容に合ったものを選んでください。
なお、耐切創手袋でも針や鋭利な突起が必ず貫通しないとは限りません。手袋の性能を過信せず、破損した荷物は荷主や元請事業者へ確認してから扱いましょう。
油や泥が付着した手袋で段ボールを持つと、商品や梱包を汚す可能性があります。
食品、衣類、精密機器などを扱う場合は、清潔な予備手袋へ交換しましょう。
配送中の手袋には、荷物、ドアノブ、台車などから汚れが付着します。
目、鼻、口に触れる前や、飲食する前には手袋を外し、手洗いや手指の清潔を保ちましょう。
滑り止め付きの手袋でも、重過ぎる荷物を無理に持つことはできません。
厚生労働省の荷役作業に関するガイドラインでは、両手が荷物で塞がると転倒しやすくなるため、できるだけ台車などを使用することが示されています。jsite.mhlw.go.jp
重量物や大きな荷物では、次の方法も検討しましょう。
使用前に次の項目を確認しましょう。

軽貨物配送に適した作業手袋は、季節や荷物の種類によって異なります。
一般的な段ボール配送では、薄手でフィット感があり、手のひらに滑り止め加工が施された背抜きタイプが使いやすいでしょう。
選ぶ際は、次の点を比較してください。
1種類ですべてに対応しようとせず、通常配送用、雨天用、冬用の手袋を車内に用意しておくと安心です。
安全な軽貨物配送には、作業手袋だけでなく、荷物を整理しやすい荷室、台車を収納できるスペース、十分な荷室照明なども重要です。
軽バンリース・レンタル本舗では、配送期間や働き方に合わせた事業用軽バンのリース・レンタルについて相談できます。
最新の車両装備、料金、契約条件、メンテナンス内容については、公式サイトでご確認ください。